司法書士によるコラム

第13回 「オンライン申請活性化へ!」

 今回は,特例方式によるオンライン登記申請について紹介いたします。

平成17年3月7日から施行された従来のオンライン申請は,申請情報だけでなく添付書面も,一部を除き原則オンラインで提供することになっており,添付書面をPDFファイル等で作成し,これに作成者が電子署名をした上で電子証明書を添付する必要がありました。
この電子署名ですが,個人ではあまり普及していないのが現状で,また添付書面は権利者や義務者だけでなく場合によっては第三者作成のものまで必要となるため,作成が事実上困難であり,オンラインによる不動産登記申請は,平成18年度は1122件とあまり利用されていないのが実情でした。

しかし,平成20年1月の不動産登記令及び登記規則の一部改正によりオンライン申請に特例方式による申請方法が追加されました。この申請方法では,オンラインで提供する必要のあるものが,添付書面では登記原因証明情報(原本をスキャナーで読み取りPDF化して,先にオンラインで提供し,後日その原本を送付)と登記識別情報のみとなり,その他の添付書面は後日郵送や窓口にて提供をすることが可能となりました。更に登記原因証明情報への電子署名は不要であり,これにより電子署名が必要になるのは,手続きをする資格者代理人のみで足りることとなりました。
また,平成20年1月1日より期限付きではありますが,オンライン申請で所有権保存,所有権移転,(根)抵当権設定等の登記をする場合には,登録免許税を1割(最大5000円)引き下げるという,オンライン申請の利用向上に向けた措置が取られました。

この特例方式,減税措置の導入により,オンライン申請件数が平成20年度には100万件を超え,21年度には160万件を超えるほどにまで上昇し,導入以前に比べ,飛躍的に普及してまいりました。

電子政府構想が一層進められ電子証明が国民に広く普及するなどのインフラ面の整備が進むと登記申請の主流は,書類を後日提出しなければならない特例方式から,完全なオンライン申請へシフトしていくものと思われます。
司法書士が不動産売買決済の場で「実印を押印いただけますか?」ではなく「ではこのパソコンにパスワードをご入力いただけますか?」と言う時代が来るかもしれません。

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