司法書士によるコラム

第17回 「一般定期借地権を使って土地を活用してみよう」

  「衣・食・住」は人間の生きる上で必要な3大要素であるがゆえに,家を所有する目的で土地を借りる場合(借地権と言います。),その借りる人(借地人と言います。)は法律で大いに保護されてきました。正当な事由がない限り,契約は更新されるため,地主は一度土地を貸してしまったら二度と戻ってこないという覚悟が必要だったのです。また,契約が終了すれば賃借人は建物の買い取りを地主に請求できるため,地主にかかる負担はとても大きいと言えます。ゆえに,土地は持っているけど,リスクが非常に大きいため,土地を貸す気になれない方がたくさんいました。

 そこで,平成4年8月に「借地借家法」が施行され「定期借地権」が誕生し,上記の負担がない借地権を結ぶことができるようになったのです。定期借地権には,他に「一般定期借地権」「事業用借地権」「建物譲渡特約付借地権」の3種類がありますが,新築住宅の供給で一番多い「一般定期借地権」についてお話します。その要件は以下の3つの特約を結ぶことです。

1)契約の更新がないこと
2)建物の築造による存続期間の延長がないこと
3)借地人が土地上の建物について買い取り請求をしないこと

 3つの特約の一つでも欠けたら,残りの特約も無効になり,通常の借地権になってしまいます。あくまで,立場の弱い借地人を保護しつつ,例外的に上記3つの特約を結んだときのみ認めた制度です。
  一般定期借地権を設定した場合は,存続期間満了後には必ず土地が戻ってくるため,安心して定期的な収入を得ることができます。また,固定資産税の評価を住宅用の土地として下げることが可能になり,相続税の評価も低くなるため,税金対策としても有効でしょう。また,従来の借地権では高額な立ち退き料を借地人に払う必要があったものの,定期借地権では立ち退き料を払うことなく,更地の状態で土地を返還してもらえます。
  また,一般定期借地権は借地人にとってもメリットのある制度です。存続期間満了後には必ず土地を返さなければならないため,通常の借地権よりも契約時の保証金が安くなります。よって低価格でマイホームを持つことが出来ます。一般定期借地権は,存続期間を50年以上と定める旨が法律で決まっているため,余生をマイホームで過ごせる可能性が高いと言えます。
  ただし,借地人のメリットである安価な保証金は,地主のデメリットになりますし,相続税の評価も,更地に比べると低いものの,通常の借地に比べると高くなります。また,借地人は建物買取請求権がないため,返還時に更地にするための費用を負担しなければなりません。以上より,デメリットも踏まえた上で,土地の有効な利用方法の一つとして活用してみてはいかがでしょうか。

司法書士 浅井 美保

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