司法書士によるコラム

第28回 「役員の任期伸長について」

前回は不動産登記の話題でしたが,今回は分野を変えて商法(主に会社法)の話題について触れてみようと思います。

そもそも会社といっても,様々な形態があります。

株式会社・合名会社・合同会社・特例有限会社…。

今回は会社のなかでも最もポピュラーな株式会社の必須機関である取締役と同族会社等に設置されていることが比較的多い監査役の任期について言及したいと思います。

株式会社の取締役の任期は,原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までと法律で定められています。また,監査役の任期は,選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結時までと定められています。役員の変更(重任・再任を含む)がある場合には,2週間以内に変更登記をしなければなりません。

これに必要な手続費用は収入印紙代で資本金の額が1億円以下の会社は1万円分,資本金の額が1億円を超えてしまうと3万円分必要となってきます。

また,この手続を専門家に依頼した場合には,これに加えて手数料が数万円かかってくる場合もあり,結構な経費の支出となります。

しかも,それを怠ると,100万円以下の過料に処せられます。最近,この変更登記を失念したために過料に処せられた事例が多くなってきています。

ただし,新会社法の施行(2006年5月1日)により,公開会社でない株式会社(委員会設置会社を除く)においては,任期を最長10年まで延ばせるようになりました。

具体的にどんな手続をすればよいかというと,「臨時株主総会」を開き,

下記のような議事に関して承認の決議をして定款の変更をします。

(1)取締役の任期は選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。(2)任期満了前に退任した取締役の補欠として,又は増員により選任された取締役の任期は,前任者又は他の在任取締役の任期の残存期間と同一とする。

(3)監査役の任期は選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。(4)任期満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期は,前任者の任期の残存期間と同一とする。

役員の任期は登記事項ではありませんので,登記の申請は不要です。

従って,役員の任期伸長手続においては登録免許税などの実費も必要ありません。

総会で決議し議事録を作るだけの手続となります。

当事務所においては議事録等の文書作成も承っておりますので,興味がある方はご連絡いただければご対応させていただきます。

司法書士 戎野 純一

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