司法書士によるコラム 第4回「共有持分は愛情の深さ?」 | 不動産登記ガイド / 弁護士法人アディーレ法律事務所

司法書士によるコラム

第4回 「共有持分は愛情の深さ?」

 不動産の購入をご検討されている方,その動機は結婚して新しい家庭をつくる,結婚して幾年か経過後子供も大きくなったし,念願のマイホームを郊外になど,様々なケースがあるかと思います。また,退職金で住宅ローンを完済後,子供たちが独立しているので,ご夫婦に丁度の大きさのマンションにお住み替えなどをお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 購入の方法は人それぞれです。頭金を入れて住宅ローンを組んで支払う方もいれば現金での一括払の方もいらっしゃいます。支払は大変だけど,その後の生活に夢が膨らみます。

 不動産を購入する際に重要なのは,名義をどうするのかということです。
 購入不動産の名義をお二人以上の名前で登記する場合は,各々の持分を決めなくてはなりません。

 この持分ですがいい加減に決定してしまいますと,後悔することになる場合があります。
というのも,不動産購入代金の支払は,各々が持分に見合った分を支払わなくてはならないからです。

 具体的に例を挙げます。ご主人がサラリーマンで奥様が専業主婦のご家庭で,ご結婚後初めてのマイホームを購入される場合,夫婦の結晶であるマイホームの名義を夫婦の共有物として登記をご希望されることがよくあります。愛情豊かで微笑ましいですよね。

 しかし,住宅ローンの支払は収入のあるご主人のみとなっていることが通常です。マイホームを夫婦の共有物とするという事は,「本来ご主人が支払ってご主人の持物となる分を奥様に贈与した」という事になり,贈与として課税の対象となる可能性があるのです。

 他方で,婚姻期間が20年を超えて,居住用不動産を贈与する場合は配偶者控除を受けられる場合もあり,場合によってはこのような特例を活用することも有効です。

 また,本来共有で登記すべきところを間違って単独の名義で登記してしまった。逆に,単独で登記すべきところを共有で登記してしまったといった場合,これらの登記を訂正する手続も用意されています。
 やや専門的な知識になりますが,登記原因を【錯誤】や【真正な登記名義の回復】とし,更正登記や所有権(一部)移転登記をする方法があります。ただし,無条件にこれらの登記ができるというわけではなく,抵当権者等,第三者の関与がある場合などは,調整が必要となります。

 愛情の深さにかかわらず,持分を決定する際や一部移転をお考えの方は慎重になされることをお勧めします。

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