司法書士によるコラム

第8回 「相続時精算課税制度について」

 我々が登記の相談を受ける際に,周辺業務である税金関係の質問を多く受けます。
「相続を待たずに子供に不動産を贈与したいのですが,その場合,贈与税がかかりますよね?何とか良い方法はありませんか?」など質問を受けることがあります。

 これに関して,平成15年1月1日から相続時精算課税という制度の適用を受けることができるようになりました。
65歳以上の親から20歳以上の子供に贈与する場合に限定して贈与税の課税価格から一定額の控除を受けられる制度です。
この制度は,通常不動産などの高額な財産を贈与した場合,贈与財産につき暦年課税(基礎控除額110万円)で課税されるのに対し,相続時精算課税制度では2500万円までは課税されないというものです。
※平成27年の法改正により,65歳以上の親は60歳以上の父母又は祖父母へ対象が拡大され,また,20歳以上の孫への贈与も対象となりました。

 ただし,贈与時に課税価格の控除を受けられる反面,この贈与した財産が相続時に相続財産に含まれ,相続税の対象となることになります。
この制度を受けず,通常の暦年課税で受けた贈与であれば相続財産から隔離されているので,相続時に再度相続税として課税されることはありません。どちらが良いかは一概に言えない面もあることは確かです。

 制度を利用する場合は将来の相続が発生した場合のことを考えて行うべきかと思います(メリット・デメリットがそれぞれありますし,ご所有の資産関係を全て把握する必要があるため,詳しくは税理士などの専門家に相談された方が良いでしょう)。

 代表的なメリットとしてはあくまで贈与時の財産の価格で相続時に課税されることになるため,将来財産の価格が上がりそうな不動産などの財産を贈与しておくことによって税金対策ができることになります。

 贈与する財産が不動産の場合,土地については路線価で,建物については固定資産評価証明書の評価額で金額を確認できます。
路線価については,宅地に面した道路に価格が設定されており,ご所有の土地に面した道路の1平方メートルあたり価格が路線価地図に記載されています。路線価の地図はインターネットでも閲覧できますし,税務署に備え付けのものでも確認できます。実際には個々の条件で計算方法は異なりますが,概算は出せると思います。

 次の世代のことを考えて物件を購入する方はあまりいないかもしれませんが,20年,30年後に住宅ローンの支払が終わってやっと一安心といったところで,次は相続という問題に直面することになるでしょう。
今のうちから不動産を含めた資産運用のプランを考えておくべきかと思います。

不動産登記のお問い合わせはこちら

ご相談,お見積り無料!お気軽にお問い合わせください。

「こんな些細なことを弁護士に相談してもよいものか」といった事項でも,遠慮なくご相談いただける人間関係を,法人代表者の方々や法務部担当者の方々との間で築くことを心掛けています。